居酒屋が若いサラリーマンの社交場ならば、バーはちょっと熟れて味が出てきた社会人達の憩いの場といえるでしょう。暗めな店内に入ると目の前に広がる長いカウンターテーブルと、間隔を広く置いて並べられたハイチェア。カウンターの向こうには、淡い室内灯に照らされて綺麗に光るお酒のボトルやバーボングラスが並び、ビシッとした制服を着こなすバーテンダーと話を楽しみながらカクテルを傾ける若い女性。こんなイメージが想像できるのではないでしょうか?

ここ日本には良いバーがたくさんあり、外国人にも密かに人気があります。下手したら彼らの方が私たちよりよっぽど詳しいかもしれません。世界のバーに長年興味があった私は、バーに詳しそうな外国人に出会えば、「世界1のバーはどこか?」という質問をしていたのですが、多くの人から必ずと言って良いほど名前が挙がるバーが3つあります。今日は、過去10年間におよぶ独自のリサーチとインタビューから導き出した世界のバートップ3を紹介していきましょう。

  1. 香港の“Argo”

早速登場したArgoは、高級リゾートホテル「Four Seasons」内に構える全70席のバーです。お店の名前はギリシャ神話に登場する船のArgoが由来しています。世界的に見てもSDG’Sの取り組みが加速しているのは一目瞭然ですが、新装開店を果たしたArgoのオープニングを飾るメニュー「Here Today, Gone Tomorrow」(今日はあるけど、明日はどうか?)は、気候変動によって将来的に絶滅してしまうかもしれない食材を取り扱っており、Argoの環境への取り組みが垣間見えます。

  1. LAの“Thunderbolt”

アメリカの西海岸、ダウンタウンLA(ロサンゼルス)付近に位置する歴史的なエコーパーク。その公園から徒歩ですぐの場所に“Thunderbolt”というバーがあります。深い緑色のペインティングで落ち着いた雰囲気の店内では、よくある薄暗いバーというイメージは無く、どこかボタニカルな色合いで纏められたお洒落カフェの様に見えます。お酒の種類も幅広く用意されていますが、このお店の大人気メニューであるフィリピン料理は『絶対に食べた方が良い』とアメリカの友人に強く勧められました。何を隠そう、お店があるエリア近辺はフィリピン人街としても知られていて、本場の美味しいフィリピン料理が食べる事が出来る場所としても結構有名な地域なのです!堅苦しくない美しい店内でぜひ乾杯してみてくださいね!

  1. メルボルン“Hope St Radio”

オーストラリアのメルボルンという大きな街にかなり変わったバーがあるという話を聞きました。そこは、アーティスト達によって廃校の中に建てられたラジオ局となっていて、珍しいことにワインバーが併設されているそうです。Collingwoodにあるこのお店の名前は、”Hope St Radio”。店内では、DJの生演奏を楽しんだり、広い屋外スペースで仲間と踊ったりと、格別のひと時が過ごせます。最高級のワインセレクションだけでなく、人気シェフのエリー・ブハダナ氏が手がけるイタリアン料理もぜひチェックしてみましょう!